IPBESの成果をIUCNに活かすためには
1日目のランチ後に4つのサイドイベントが開催され私はIPBES関連のものに出席しました。
★IPBESに関する詳しい内容は、IUCN-Jが7月に東京で主催したIPBES勉強会のレポートをこちらよりご覧ください!
IPBES-IUCNはどのようにIPBESを使用し、どのようにパートナーシップを強化していく?
まず、サイドイベントの開会挨拶の中で、IUCNはIPBESに対し、知識やデータ(レッドリスト)を提供するという形でサポートしており、お互いに助け合うことで素晴らしい相乗効果が生まれるという話がなされ、両者のパートナーシップの重要性を強調していました。
次に、IPBESとは何か?という基礎情報の紹介があり、続いて、莫大な量のレポートの主要メッセージや政策決定者向けの要約など、いわゆる世界評価レポートの“読み方”に関する説明などがなされました。
発表の様子
メインとなるオープンディスカッションのセッションでは、2019年に発表されたIPBESの世界評価レポートとIUCNの関係性を考え、両者のパートナーシップを強化するためには、どのようにしたら良いのか、という議論が展開されました。
発表に対して意見を述べるIUCN-J事務局長・道家氏
議論内では、ビジネスへの影響や、若い世代への能力養成、政策決定者とのコミュニケーションなどの言及がありました。また、IPBESは良いレポートではあるけれど、文書でしかないため、その結果を実際の行動につなぐことが必要であり、ワークショップを通じた理解の向上や翻訳作業をすることで、成果を国家レベルに読み替える必要があるとの示唆もありました。他の意見として、ポスト2020は科学に基づく目標設定になるべきであることから、科学に基づくことが必要であり、そのための強力なパートナーシップや共同作業ができると良いとの言及もありました。さらに、若い世代が応用できるように、との意見も見られました。
発表者に指名されコメントする星野氏(次期IUCN理事候補)
なお、このサイドイベントに類似した内容は、2日目の午後に行われた最終セッションでも説明があり、IUCNが“科学に基づく”視点を重要視していることが感じ取れました。
*今回の情報収集は、環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて実施します。
矢動丸琴子(IUCN-J事務局)