2nd-OEWGの個人的成果と展望 part2

2nd-OEWGを終えて

休みない2nd-OEWGが終わり、10日ほどが経とうとしています。新型コロナの影響を受けつつもなんとかギリギリ逃げ帰って来られたようです。今回初めての国際会議だったので、いつもこれほどドタバタ忙しいのかわかりませんが、休みを削り議論を進めていく会議の進行に驚かされました。

0時を過ぎて空席が目立つ会場

0時を過ぎて空席が目立つ会場

会議への参加を通して様々な争点を知ることができ、興味関心は尽きませんが、日本に帰ってきて考えるのは、いかにして2nd-OEWGに参加した成果を還元していくかということです。

当たり前ですが、国際会議は海外で開かれ、様々な国の方が訪れます。日本から参加されている方は他の国よりも多い印象を受けましたが、それでもわずかです。ここに来ている一人一人の日本人が情報や刺激を持ち帰り、日本の中で生物多様性の最新動向を知らせ、日本で生物多様性を主流化させていかないといけないと考えると、一人一人の責任の重さを感じるとともに、私は何ができるのだろうかという気持ちになりました。

今回のゼロドラフトのターゲット13にあるように「2030 年までに、生物多様性の価値がすべてのセクターで主流化され」なければなりません。ターゲットはまだ案の段階ですが、同ターゲットにあるように「国及び地方の計画策定、開発プロセス、貧困削減戦略及び会計に生物多様性の価値を統合する」ことにより達成されるとされており、2021年に改定される国の生物多様性国家戦略を通じて日本の様々なセクターに主流化されていく予定です。

しかし、それは主に日本国政府の仕事であり、オブザーバーという形で参加した私にできることは何かと考えているわけです。

今後の展望

私が所属するCONDという団体には政策提言委員会という、国内・国際関わらず政策提言を行なっていくためのグループがあります。この委員会は日本全国から任命された生物多様性ユースアンバサダーを中心に構成しており、2nd-OEWGに向けてもポジションペーパーを作り、GYBNに提出しました。政策提言委員会について、詳しくはホームページより参照ください。(HP: https://cond2020-44733.firebaseapp.com/)

私もこの委員会のメンバーなので国際会議での様子や争点を詳しく共有して、次の会議でどのようなアクションを取るのか議論していきたいと思います。ちなみに、今回の会議を踏まえた新しい文書がSBSSTA/SBIの6週間前に公開されることになっており、4月の上旬ごろに公開される見込みです。

具体的には、今回のターゲットごとに出された共同議長やコンタクトグループのリードからのサマリーを表にして訳文をつけて共有し、議論の参考資料にしようと考えています。また今回は議論されずSBSSTA/SBIに持ち越された目標値やベースライン(目標を定める際に基準となる数値、例えば19〇〇年の段階から、2030年までに〇〇%上昇させるというイメージ)に対して、どういったポジションを取っていくのかなど議論していきたいと考えています。

ポジションペーパーを作ってもGYBNに採用されるかはわからず、意見として発信できる機会も少ない現状ですが、地道にポジションペーパーを作り続けていきたいと思います。

*生物多様性ユースアンバサダー事業は、ブラザー工業株式会社様の協賛をいただています。

稲本俊太
(COND副代表/早稲田大学2年)