トヨタとドライブする”未来への道”
トヨタとIUCNのコラボレーションを紹介する2つのイベント
「The Way Ahead: Toyota & The IUCN Red List of Threatened Species- Driving private Sector Engagement for Biodiversity Conservation」(未来に続く道:トヨタとIUCNレッドリストー生物多様性保全のための民間セクターの参画にドライブをかけよう」)
「Celebrating a red future with Toyota Mirai: Toyota in partnership with the IUCN Red List of Threatened Species」(赤の未来をトヨタのMiraiと祝う:IUCNレッドリストとパートナーシップを組むトヨタ)
に参加しました。タイトルの端々に使う英語がトヨタをとても意識したものとなっています。
進行は、IUCN生物多様性部長ジェーン・スマートさんです。
「絶滅危惧が拡大し私たちのよって立つ自然の危機が叫ばれているが、その基盤の情報となるのがIUCNレッドリスト。」
「これの更なる調査と、特に私たちの社会が利用する植物や魚などの評価が重要で、現在80,000種の評価状況を16,000種に拡大することをIUCNはめざす。人間が日常摂取するエネルギーの80%は、たった12の穀物種に依存していて、うち50%が麦・大豆・米となっている。これらの種の様々な品種改良の可能性を維持するためにも、その野生近縁種を守ることが重要とされている。」
これを実現するために、IUCNがトヨタとパートナーとなれたことを心から歓迎する発言がありました。
トヨタとIUCNのパートなシップについてはこちらhttp://newsroom.toyota.co.jp/en/detail/11927798
これに対し、ブラウリオ生物多様性条約事務局長も
「企業との連携は決定的に重要である。私たちは生物多様性を至る所で失っている。政府による取り組みはあるが、生物多様性の大きなユーザーは企業である。生物多様性は、政府だったり企業だったりそれぞれに関係する課題が集合したものである。」
「生物多様性条約では、2005年くらいから企業との連携を深めてきた。企業と生物多様性イニシアティブを進めてきた。企業側の理解も非常に深い。この仕事を始めて最初の頃に経団連自然保護協議会を訪れて、非常に多くの活動が展開されていることを知って驚いたことを覚えている。このパートナーシップは、他の企業を刺激することと思う。」
「そのためにも、自然保護コミュニティー側は企業セクターをむやみに敵視するのをやめていく必要があるし、もっと多くの企業に生物多様性を内部化して欲しいと思う」
という発言がありました。
メキシコの生物多様性センター(CONABIO)の代表であるヘジキオ氏からも
「COP13で主流化の成果をまとめる。この度のようなコラボもがもっと広がって欲しい。トヨタが、IUCNレッドリストという重要な情報の総量を増やすということは重要な発展だと思う」
と述べました。
ブラウリオ事務局長はさらに重ねて
「生物多様性の取り組みについて、企業のリーダーだけでなく、消費者や従業員の支援が必要。自然について高い目標を設定することは、イノベーションを生むことで、歓迎すべきことだ。」
「消費者にもっと情報を与えて、良い選択をしてもらうことも重要だ。これまでは、フィランソロフィーであったが将来はもっと自然について企業の本業の中で迫る必要がある。」
「トヨタには、リーダーシップをとって新しい基準を作り、サプライチェーンに影響を及ぼして欲しい。これが自然な方法での企業の参画の仕方だろう。私たちはまだ移行の時代で、トヨタの影響力でそれを良い方向に進めて欲しい」
と希望を述べました。
「なぜなら、人々が短期的な視点になりつつあり、企業は一方で長期的な持続可能性を意識し始めている。ここのバランスをとることは大きな課題である」
とも補足しました。
IUCN理事の堀江さんからは
「IUCNのすべての人々が生物多様性や自然保護に取り組んでいる。そこで、トヨタのさらなる仕事は、他の企業にこのような動きをフォローさせることではないだろうか。そのためにも、まだ広報が日本では不十分ではないだろうか?」
「また、トヨタのサプライチェーンに加わる企業の皆さんにもしっかり伝える必要がある。日本国内における広報がわずかであった。ぜひ、広告戦略を考えて欲しい。IUCNとしてもレッドリストを広めていくことを考えていく。」
という応援のエールが送られました。
後半の「赤の未来をトヨタのMiraiと祝う:IUCNレッドリストとパートナーシップを組むトヨタ」では、水素発電自動車Miraiとともにトヨタ自動車のゼロマイズ(ミニマイズ(最小化)ではなく、CO2排出や環境負荷をゼロにする)の取り組みが、Mirai実物とともに紹介されました。
終始、祝賀会のような雰囲気で、IUCN親善大使のイルカさんも登場。IUCNの歌『We love you Planet』をイメージして描き、染められた着物や、レッドリストを意識してデザインした帯(市販されていて、売り上げの一部がIUCNに寄付される)を締めた姿でした。伝統的ものづくりと自然の関わりを大事にしていきましょうというメッセージとともに、IUCNの歌を披露されました。
当日プログラムは以下をご覧ください。