ポスト愛知ターゲットを考えよう

12月10日のSBSTTA21開会に先立つ、12月9日、WWF主催(資金提供:ドイツ連邦環境省)でポスト愛知枠組みを検討する会合が開かれました。会合は「ステークホルダーの意見を聞く」という趣旨から、政府ではなく、NGOや研究機関が中心的な参加者でした。にじゅうまるプロジェクトはCOP10以降、全SBSTTA,COPに参加し、日本の民間団体による取り組みを呼びかけることをしてきましたので、ワークショップの参加の招待を受けました。

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WSを進行するドイツWWFのギュンター・ミットラッハー氏。COP10に向け、日本のNGOに数多くの助言をしてくださった恩人の一人

ワークショップでは、2050年ビジョンは現在の状況をみて引き続き妥当な(relevant)なビジョンだろうか、2020ミッションは変更が必要かどうか、戦略目標AからEまでの考え方は、ポスト愛知枠組みにおいても維持するべきだろうか、ポスト愛知枠組みは、国連全体の中で(特に、持続可能な開発目標の枠組みの中で)どういう位置づけを占めるべきか、など幅広く検討が行われました。(ビジョン、ミッション、戦略目標の本文とその考え方は、にじゅうまるプロジェクトウェブサイトを参照

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2050年ビジョンへの意見、そのまま(Maintain)が多数を占めた。

30人近い参加者とともに、いろんな意見を交わしました。愛知ターゲットの前の目標である「2010年目標」から、愛知ターゲットへはほぼ文章の置き換えがなされたのに対して、多くのNGOは、愛知ターゲットやその枠組みについては、ほぼ完成しているので、内容を修正・調整すればよいのではないかという意見が多かったように思います。

注目したのは、ポスト愛知枠組みを見直す際に、目標の野心・意欲度(Ambitious Level)と、実現可能性や測定可能性とのバランスをどうバランスをとるかという点です。すでに国連全体の枠組み目標となっているSDGsの言葉を見てみると、愛知ターゲットよりずっと前向きな表現が書かれているので、それよりも踏み込んだ標記を行うのか、SDGs並みに留めるのかは意見が分かれそうです。

(公財)日本自然保護協会・IUCN日本委員会事務局長 道家哲平