SBI3 能力養成コンタクトグループ
能力養成および科学技術協力の議題は、5月19日の1時から4時で実施し、再び5月21日の午後8時(日本時間)に2回目の会合が開かれました。文章の構成は、能力養成に関する長期枠組みが付属書に入っていて、その本文の決定で、長期枠組みを採択するとともに、長期枠組みを活用しながら、どのような能力養成に関する活動を展開するかというものになっています。
5月21日の議論では、本文の決定の能力養成のパートだけで3時間半を費やしました(そして多くの段落は、結論を先伸ばして[ ]をつけています) 。つまり、議論の進行が極めて遅いという状況です。また、肝心の長期枠組みそのものの議論の時間が全くないため、SBSTTA・SBI期間中あるいは終了後に、サブミッション(文書での意見提出)で、能力養成の長期枠組みの中身を精査しようという意見が出されました(つまり先送り)。
交渉の内容は、いつもの?、能力養成について、途上国がさまざまな要望を先進国や国際機関等に要請するような表現をとったり、先進国の義務を強調するような文言を入れれば、先進国から具体すぎる表現をより幅広い表現に変えようとしたり、提案の意図を組みながら修正を行うという議論が目立ちました。
十分に理解できてないところもありますが、Capacity Developmentという表現をとるか、Capacity Buildingという表現を取るかで意見が分かれているようです。
意見が別れた議論として、Nature-based Solutionという概念を加えるかどうかで、アカデミアの方で定義が明確になっており、多くのドナーも関心があるキーワードとして入れていきたい欧州と、条約での定義がまだ不明確とする途上国や、曖昧で意図的な誤用を行うというする企業があると問題を指摘するNGOのグループがあります(NGOの主張はこちらでも見られます)。
コンタクトグループをもう1回開催して(5月26日午前1時から予定)議論を継続することが議長によって宣言されました。が、アジア太平洋諸国から異論がだされ、会議開催時間についてビューロでも検証することも要望されました。
道家哲平(IUCN-J事務局長/日本自然保護協会)