SBSTTA 24 ポスト2020枠組み(議題3)

SBI3やSBSTTA24の会合をいくつか挟みながら、ポスト2020枠組み関連議題について扱うSBSTTAプレナリー会合が開かれました。

SBSTTA24におけるポスト2020枠組み交渉については、GBO5の扱いと、ポスト2020枠組みへの科学技術的助言、指標枠組みに関する内容が含まれています。

GBO5の議題は、「プレナリーの意見を反映し、GBO5が作成されたことを認識し、その主要な成果の重要性を共有した上で、GBO5の成果を活用しよう」といった程度の議論だったのですが、ブラジルが、GBO5の、特に農業の、記述について不満を表明し、GBO5を[歓迎する]という文言を[考慮する]といった軽い表現に変えることを主張したり、GBO5の主要成果を抜き出した具体的な記述の削除を要請しました。その対応に多くの時間を割いたように思います。

ほぼ一つの国の主張で、決定の文言が弱くなることへの懸念を多くの国が表明していました。興味深かったのが、今回の会議システムには、チャット機能があり、ブラジルを除く多くの国が[歓迎する]という文言を希望しているチャットメッセージがチャット欄に流れ、「主張しているのはブラジルだけ」という状況が、会議システムに入っている方には可視化されていました。ブラジルの懸念は、農業補助金に関する記述への懸念のようです(新しい主張というよりは、よく聞く主張)。

そのほかについては、3回分の会合を使って意見を出した、ポスト2020枠組みへのコメントは、議長テキストという形で、コメントを反映した文章(交渉したものではないという位置付け)を確認し、プレナリーでは交渉しないことを了承。OEWG議長に対して、OEWG3の事前にまとめるポスト2020枠組みドラフトに反映させるようレポートに残される意見が出されました。いくつかの国が、良い意見出しではあったが、意見がまだ概念的であり具体性に欠けること、NGOなどが意見を表明できなかったことから、発言がなくとも寄せられたステートメントを共同議長に反映してほしいという要望も出されました。

本来は、外来種の議論を行う予定でしたが、交渉の沼にハマり、ポスト2020枠組みの議論も終わらせることができず、議論は明日のセッションに持ち越されました。

 

 道家哲平(IUCN-J事務局長/日本自然保護協会)