6月13日 SBI3最終プレナリーと閉会(休会)
6月13日午後8時(日本時間)から、SBIの最終プレナリーが開催されました。5月3日から始まったSBSTTA含め、オンライン交渉会合全体の最終回となります。SBIはSBSTTAよりも一層議題数が多いにもかかわらず、検討時間が限られていました。両会合の進行をまとめると、下記の通りとなります。
SBSTTA24の進行と成果の振り返り
SBSTTA24は8つの議題に対して、ポスト2020枠組み(5セッション)、海洋沿岸生物多様性(2セッション)、合成生物学(2セッション)、リスク評価と管理(2セッション)の4つのコンタクトグループが立ち上がって議論されました。(1セッション3時間)。
結果、下記のような、議論のまとまりとなっています。
議題3. ポスト2020枠組み L2とL3を作成
議題4. 合成生物学 L5を作成
議題5. 遺伝子組み換え生物のリスク評価 L6を作成
議題6. 海洋生物多様性 CRP2を作成。SBSTTA再開後に検討を行う。
議題7. 農業と生物多様性 CRP5を作成。SBSTTA再開後に検討を行う。
議題8. IPBESの活動計画への提言 L4を作成
議題9. 生物多様性と健康 CRP作られず、意見出しのみ実施。。SBSTTA再開後に検討を行う。
議題10. 外来種 CRP7を作成。SBSTTA再開後に検討を行う。
SBI3の進行と成果の振り返り
SBI3は、12の議題に対して、議題5.ポスト2020枠組み(カルタヘナ議定書関連能力養成、3セッション)、議題6.資源動員・資金メカニズム(5セッション?)、議題7.能力養成・科学技術協力(3セッション)、議題9.報告・評価(2セッション)、議題13.多国間利益配分メカニズム(2セッション)、の5つのコンタクトグループが立ち上がりました。議題11については、フレンズオブチェア会合が持たれました。
結果、下記のような、議論のまとまりとなっています。
議題3.戦略計画の実施レビュー :CRP2の検証を実施し、L文書作成
議題4.カルタヘナ議定書の実施状況評価:CRP1の検証を元にL文書作成
議題5.ポスト2020枠組み:CRP9(ポスト2020他の項目ージェンダー、コミュニケーション、会COPの開き方)とCRP14(カルタヘナ議定書実施計画と能力養成計画)を作成。これらの文書を再開後SBIで議論する。
議題6.資源動員および資金メカニズム :CRP7(資金メカニズム)の検証を元にL文書を作成。CRP15(資源動員)は再開後のSBIで精査
議題7.能力養成、技術協力、技術移転、知識管理、コミュニケーション:CRP3(コミュニケーション)は検証しL文書を作成。CRP4(知識管理)、6(名古屋議定書能力養成)は再開後のSBIで実施。
議題8.他の条約との協力:意見出しを実施し、CRP文書の作成を完了。CRPの検証を再開後のSBIで実施
議題9.実施の報告、評価について:CRP5を作成した。CRPの検証を再開後のSBIで実施
議題10.条約や議定書の効果の評価:CRP10を作成し、再開後のSBIで実施
議題11.生物多様性の主流化:CRP8(自治体)を作成、また、CRP16をフレンズオブチェア会合で検討。両文書の検証は、再開後のSBIで実施。
議題12.ABS機関の仕組み:CRP11を元に議論し、L文書を作成
議題13.ABS(名古屋議定書10条関連(利益配分に関する多国間メカニズム)):CRP12を作成した。CRP文書の検討は再開後のSBIで実施。
議題14.予算 :事務局から報告のみを実施。なお、通常、COP期間中に予算に関するコンタクトグループが開かれ、検討が行われ、SBIのプレナリーやコンタクトグループで検討することはない。
上記のようにSBI3は、多くの宿題を残しました。報告書の確認の議題中では、欧州やカナダからは再開までの間にポスト2020枠組み関連の議論を深める必要性が、アフリカ諸国などからは、会議期間中のネットコネクションや会議の重複開催に対する懸念の表明などが行われました。
全ての文書は、対面会議が開催された暁に正式に確定するため、この会合の成果をどのようにまとめるか、非常に難しい状況のまま、SBI3の閉会(休止)が宣言されました。
道家哲平(IUCN-J事務局長/日本自然保護協会)