ジュネーブ会合3日目の動き
3月16日10時(日本時間18時)に始まったジュネーブ会合3日目。この日は、午前に、ポスト2020枠組み作業部会のコンタクトグループ(行動目標9-13を対象)、午後にSBIコンタクトグループ「能力養成・協力」、SBSTTAコンタクトグループ農業と土壌、夜にSBSTTAコンタクトグループ健康と生物多様性を行いました。
ポスト2020枠組み作業部会コンタクトグループ3:ポスト2020枠組み作業部会は、昨年8月に様々な意見を出したことから、その出された意見の中から、共同議長や共同進行役が、議論用のペーパーを作るためのキークエスチョンを設定し、それにこたえる形で進行をしました。
例えば、目標9でいえば、かなり意味合いの近い目標5とこの9を一緒にすることについてどう思うか、目標10では、第一次産業をどこまで具体的に列挙した書き方とするかどうかといったものです。目標11は、生態系サービスという言葉を使うか、自然の寄与(Nature Contribution to People)を使うのとどちらが良いか、といった言葉や概念に関係する質問もあります。
SBSTTAコンタクトグループ農業と土壌は、付属書に書かれている行動計画(the Draft Plan of Action 2020-2030 for the Initiative)について議論が行われました。SBIコンタクトグループ:能力養成・協力は技術移転に関して多くの議論の時間が割かれました。技術移転を進めるための方策として、ニーズとシーズのマッチングメカニズム、地球規模技術移転センター、地域レベルで技術移転センターを設けるなど複数の選択肢がありますが、それは、Friends of Chair会合で議論することになりました。小規模会合のほうが論点が明確になり進むのは対面のメリットあるいは対面会合でしかできないことです。
コンタクトグループでどの国がどう発言したかなどは、非公開となっているので、詳細は控えると言いたいところですが、今はそもそも、論点が明確と言えるほどの議論が追いやすい状況にありません。ポスト2020枠組みのコンタクトグループの進行もCGごとに違いがあります。進め方は改善しているのですが。29日まで続く会議ですが、時間はあまりなく、歩み寄って(Compromise)の議論を進めようという雰囲気が、少なくともオンライン上から見る限りは見受けられません。
国際自然保護連合日本委員会 道家哲平