国際会議に来てる若者って?
生物多様性条約の会合では、既に何度かご紹介している公式の若者プラットフォームとしてGlobal Youth Biodiversity Network(GYBN)がありますが、登録ステータスそのものは全員がGYBNというわけではありません。私のように自団体でユースとして参加登録をしている場合や、NGOやアカデミア、さらには、政府団の1人として参加しているユースもいます。
政府団の1人としてユースを含めている締約国は、(私が確認できた範囲だと)オランダ、デンマーク、ノルウェー、フィンランド(ただし名札の記載区分はNGO)、メキシコなどでした。この他にも、私が話をしていない人で、政府団の1人として参加している人がいたかもしれません。そのため、全員が「Youth」の名札をしているわけではありません。しかし、「Youth」としてGYBNのグループチャットに参加したり、会議のメモをとったり、アクションをしたり、一緒に食事に行ったり、などと行動をともにすることが多いです。
彼らの話を聞いていると、締約国の1人として参加しているユースは、国内での厳しい公募などの選考を勝ち抜き、今回の会議に参加しているそうです。オランダのユースの場合は、省庁でインターンをしている人と、2年間のプログラムの選考に通り、参加しているという大学生がいました。フィンランドのユースも同様で、選考を勝ち抜き、1~2年程度の期間、会議参加や関連のある活動についての機会を得られるようでした。
私の知る限り、ユースを政府団に含める締約国は、日本を含めアジアの国では見かけたことがないので(今回アジアからの参加者がそもそも少なかったせいもあるかもしれませんが)とても驚きました。(COP14の時は、カナダがユースを締約国の1人に含めていたのは知っていましたが、こんなに多いとは思っていませんでした。)
オランダユースは、ほとんどの国が政府団にユースを含めているわけではないので、自分はとてもラッキーだと言っていました。毎朝締約国とのミーティングに出席し、会議内で自分が希望して発言したい場合は、政府団の全員が承諾すれば、自分が発言することができる、とのことでした。今回はできなかったけど、次回はできるように準備等をがんばりたいと言っていました。政府団にユースを含めることで、政府団とユース、とりわけGYBNとの橋渡しを政府団内の自国ユースが担えるため、それを期待しているのではないかとのことでした。
その他には、海洋や持続可能な漁業に関わる内容を扱うNGOで働いているユース(このユースはIPBESでインターンしていたことがあるそうです)、以前国連生物多様性の10年のユースアンバサダーを務めていたユース、ビジネス関連の内容を扱う機関にいるユース等がいました。
上述では、登録の際の区分についてご紹介しました。国別に見ると、今回参加していたユースはヨーロッパ地域から来ている人が比較的多かったですが、全員がそうというわけではありませんでした。具体的には、ベルギー、ドイツ、イタリア、フィンランド、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、南アフリカ、メキシコ、エルサルバドル、ブラジル、フィリピン、ボリビア、インド、パキスタンのユースたちが参加していました。人数規模は概ね35名程度でした。
旅費等の問題もあり、開催地域によって参加するユースの出身や国籍には毎回多少の偏りがありますが、COP15ではまた多くのユースに会えることを期待しています。
矢動丸琴子
一般社団法人Change Our Next Decade