【ユースレポート】第1回ポスト2020特別作業部会(1st OEWG)での世界ユースの活動

第1回ポスト2020作業部会(以下、1st OEWG)も無事に終わりを迎えました。議題5の今後の作業計画については、最終文書の採択まで進み、クリスティアーナ・パスカパーマー事務局長からも第1回作業部会の成功を喜ぶ閉会挨拶がありました。交渉や会議の内容等については、IUCN-J事務局長の道家さんの記事をこちらよりご参照ください。

ここでは、1st OEWGでのGlobal Youth Biodiversity Network (以下、GYBN)の活動について紹介します。

GYBNは、大きく分けて①ポジションペーパーの作成と意見表明、②世代間公平の推進(イベント開催)、③交渉のトラッキング、④会議プロセスへのユース動員支援、という活動を行っていました。それぞれの概略は次の通りです。

●ポジションペーパーの作成と意見表明
まず、世界各地で活躍するGYBNの中心メンバーが提言内容のドラフト文書を作成します。次に、OEWGに参加しているユース内でその書面を共有し、交渉内容もふまえた上で、最終版のポジションペーパーを作成します。議長から発言が許可されると代表者がポジションペーパーを読み上げます。

●「世代間公平(Intergenerational equity:以下、INTEQ)」の推進
提言活動の一部ですが、INTEQの概念をポスト2020年枠組に組み込むように推進していました。GYBNのポジションペーパーへの組み込み、締約国へのロビーイング、推進イベントの開催等が行われていました。イベントに関する記事はこちらを参照

●交渉のトラッキング
本会議に出席し、締約国やオブザーバーなど多様なセクターの発言内容のメモをとり、ポジションを把握します。ユースの考え(や先住民地域共同体、女性等の尊重と参画など、ユースも同調する意見)への、肯定的な意見、否定的な意見(今回はあまり見られませんでした)に対して、速やかに、会議中の主張・発言に活かしています。複数のユースが協力してトラッキングを行いました。

●会議プロセスへのユース動員支援
ユースを対象としたミーティングの開催や、SNSアプリでの情報交換・議論の内容(主に締約国やオブザーバーの発言内容)の共有など、国際会議に参加しているユースのサポートを行います。
さらに、メンバーによっては、NGO(ここではCBD Allience)のミーティングへの参加や、アクションへの参加(こちらの記事を参照)を行っていました。

今回はじめて生物多様性条約の関連会合に参加するユースも多く見られ、1st OEWGとは何なのか、今後のプロセスはどうなっているのか等、会議に参加するために必要な知識について、簡単なレクチャーを実施しており、日本ユースも出席しました。

 

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今回初めて参加しているユースは、ツールキット発表会の主催者の一部でもあり、1st OEWGの直前に実施していたEUユースを対象としたGYBNの能力養成WSの参加者が多かったようです。(ツールキット発表会の記事はこちらを参照)

生物多様性条約の関連会合に初めて参加するユース向けの説明会はCOP14の際にも実施しており、GYBNがより多くのユースの条約プロセスへの参画に力を入れていることが伺えます。

GYBNはWhatsappというLINEのようなSNSアプリを用いて、会議中の情報交換や、意見表明文案の作成を行います。意見表明文案はGoogle documentを用いて共同編集し、議論の進行から外れないようトラッキングをしっかりと行った上で、発言の直前まで修正作業を行います。GYBNの提言内容に関するレポートは別途こちらのブログで公開予定なので、そちらをご覧ください。

矢動丸琴子(生物多様性わかものネットワーク/IUCN-J事務局)