【ユースレポート】開催場所FAOと食のための生物多様性

FAOとは

第2回ポスト2020特別作業部会(2nd-OEWG)はローマに本部を設置している国際食糧農業機関(The Food and Agriculture Organization )で開催されています。FAOは飢餓の撲滅を目指す国連の専門機関です。FAOは全ての人々の栄養水準と生活水準を向上させ、食糧の生産と流通の改善をゴールとしています。現在194の国が加盟しており、日本は1951年に加盟しました。本部はイタリアのローマに設置され、付近にはコロッセオ・凱旋門・カラカラ遺跡などローマの代表的な遺産があり、ローマの中心的な場所に位置しています。

FAOの建物

FAO の建物

会場の展示

この会議の期間中、FAOの建物に入るとすぐに「BIODIVERSITY FOR FOODDIVERSITY」と題して、食糧の生産と持続可能な農業を行うための基盤となる生物多様性という視点で展示がされていました。

展示の様子

展示の様子

 展示では、生物多様性は世界から栄養失調の撲滅、食糧生産量の増加、レジリエンスのある生活を作り出すために必要不可欠なもので、生物多様性なしにSGDs(Sustainable Development Goals)の達成は不可能であることや、食事や生活の基盤として生物多様性が重要であることが指摘されていました。増加し続ける人口を養いながらどのように生物多様性を持続可能に利用するのか?今回の展示では、このような課題に対する重要な視点としてNature-based solutions(自然を基盤とした解決)が指摘されていました。

他にもNGOによる事例紹介として、「種子の持続可能な利用」、「健全な食事」、「狩猟の持続可能な管理」などの展示が行われていました。

OEWG2での食糧に関する発言

また今回OEWG2で議論されているゼロドラフトの中にも、2030年&2050年ゴールとして栄養の改善が指摘されています。コンタクトグループでもこの項目が含まれたGoal (d)やAction Target7に関する発言や意見交換が何度も行われていました。特にイラクは「誤った食糧安全保障(注:例えば、食料増産のために不適切に農地を拡張することなどが考えられる)は生物多様性損失の原因となりトレードオフの関係にあるため、バランスが重要だ」と発言していました。

会議場の様子

会議場の様子

稲本俊太(COND副代表/早稲田大学2年)