8月24日 第3回ポスト2020作業部会 DSIとポスト2020枠組み

8月24日午後8時(日本時間)ポスト2020作業部会の本会議(プレナリー)の二日目が、行われました。昨日に続き、専用システムには550名近い参加、Youtubeでは250名近くがライブで参加していることが見て取れました。

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昨日のDSIの議論の続きとして、非加盟国のアメリカ合衆国の発言から始まり、オブザーバーとして先住民地域共同体(IPLC)などの発言が行われました。*引き続きITトラブルで専用システムに入れない方も多いようです。本会議は公開・録画がなされており、各国の声明は、生物多様性条約の公式サイトから見られます(Statementというタブから発言動画とともに閲覧可能です)

議題5のDSIについて、一通りの発言を終えたのち、コンタクトグループの設立が宣言されました。8月25日水曜日(日本時間では、8月26日00時)から行われます(登録者のみの非公開での議論)。

ポスト2020枠組み

その後、ポスト2020枠組みへの声明がおこなわれました。意見は下記の通りです。まだ、意見表明の段階のため、SBSTTAやSBIなどで出された意見と類似のものが多いように感じます。30カ国近いコメントがありましたが、全部発言が終わらなかったため、明日も継続することとなりました。時差の関係か、アジア地域は比較的セッションの初めの方で発言順が回ってきたように感じました。

・ゴールに主流化要素を追加したい
・ゴールとマイルストーンと行動目標の連動性強化:文言の重複なども見られる。マイルストーンの一部を行動目標に移動させたものが良いものもあるのではないか
・目標の数的要素の強化(SMART要素の強化)
・ヘッドライン指標の開発と合意を早めたい(NBSAP改定のため)
・GBFのシンプル化や言葉のシンプル化なども追求し、コミュニケーション可能なものにする
・意欲的な目標設定に意欲的に取り組みたい。HACは、30%目標を支持。
・条約の3つの目的をバランスよく取り組むべき。遺伝的多様性、種多様性、生態系多様性のうち、遺伝的多様性の視点が弱い。また、持続可能な利用とABSが弱いのではないか。
・社会変革(Transformative)を導く目標設定の重要性(EU加盟国が多い印象)。新型コロナからの復興の指針にもなること。
・ワンヘルスアプローチの導入など全体的(Holistici)な視点が重要。
・自然に根ざした解決策(Nature based Solutions)の強調も重要。
・IPLCの関わりや、FPIC(自由な状態での事前の情報提供に基づく同意)を強化する方法について議論したい。
・権利ベースアプローチの強調。
・種や遺伝的多様性については把握が難しい国が多く技術的、資金的支援が必要
・海洋の保全を、保護地域(ターゲット3)や第1次産業関連の目標に明確に入れ込みたい
・DSIをGBFに組み込む必要がある(途上国に多い主張)
・LMO(遺伝子組み換え生物に関する生物安全保障)関連目標17が曖昧さが残り、実施可能性を高めたい。
・企業の主流化に関する目標15を途上国で実施することが、非常に難しい印象。現実的と意欲的の間のバランスを取る必要。
・資源動員(目標18,19)の重要性・資源動員関連決議との連動が重要。
・セクションH-K(実施メカニズム関連の記述の文章)をもっと深めるべき。NBSAPの改定や国別報告書、グローバルストックテイク、コミュニケーション戦略などSBIで議論したことを反映させたい。多国間協定との連動の重要性。

道家哲平(IUCN-J事務局長/日本自然保護協会)